個人事業主のみなさんへ、ひとつ大切なお願いがあります。
確定申告書の控え、捨てずに取ってありますか?「もう何年も前のものだし」と処分してしまった方も、いらっしゃるかもしれません。
実はこの確定申告書、将来あなたが建設業許可を取るとき、なくてはならない大事な書類になることがあります。しかも、場合によっては10年分。今は許可を考えていない方にも、ぜひ知っておいていただきたいお話です。
なぜ、確定申告書が必要になるの?
会社(法人)であれば、登記簿という「会社が存在し、活動してきた公式の記録」があります。けれども個人事業主には、それがありません。
そこで登場するのが、確定申告書です。確定申告書は、「あなたがその年、たしかに事業を営んでいた」ことを示す、公的な証拠になります。建設業許可の審査では、過去の経験を年数で証明する必要があり、その裏付けとして確定申告書の控えが使われるのです。
どんな場面で、何年分必要になるの?
建設業許可では、大きく2つの場面で確定申告書が登場します。それぞれ必要な年数が違います。
事業の経営をしてきた経験(常勤役員等=経営業務の管理責任者)を示すために、原則として5年分ほどが必要になります。
資格をお持ちでない場合、技術者(営業所技術者等=専任技術者)を10年の実務経験で証明することになり、その裏付けに最大10年分が必要になることがあります。
だからこそ、できれば「10年分」残しておくのが安心です。
とくに、ご自身が経営も技術も一人で担う一人親方の方は、両方の証明で確定申告書が活きてきます。
専門家からのひとこと
税務上、確定申告の関係書類の保存義務は原則7年とされています。ところが建設業許可では、実務経験の証明で10年分を求められることがあります。つまり「7年たったから」と処分してしまうと、いざ許可を取るときに足りなくなる——これが、実務でとても多いつまずきです。
もし、捨ててしまった…という方へ
「やってしまった、もう手元にない」という方も、すぐにあきらめないでください。代わりになる方法がある場合もあります。
- その期間の工事の契約書・注文書・請求書の控え(+入金がわかる通帳の写しなど)で、実務経験を証明できる場合があります
- 税務署では、過去の申告内容を確認できる手続きが用意されている場合があります
- 状況によって使える資料は変わるため、まずは「何が残っているか」を一緒に確認させてください
代わりの資料は、当時のものであることが前提です。あとから作り直した書類は認められません。だからこそ、今あるものを「捨てない・なくさない」ことが、何よりの備えになります。
今からできる、かんたんな備え
むずかしいことは要りません。今日からできることを、3つだけ。
- 確定申告書の控えは、最低10年分は保管。年ごとにまとめて、ひとつの箱やファイルに。
- 工事の契約書・注文書・請求書の控えも一緒に。確定申告書とセットで残しておくと、証明が一気に楽になります。
- 電子申告の方は、受信通知(メール詳細)も保存。申告書の控えとセットで必要になります。
許可をすぐ取る予定がなくても、「何を残しておけばいいの?」というご相談だけでも構いません。今ある書類を一緒に確認し、足りないものは早めに手を打ちましょう。山形県・宮城県・福島県を中心に、東北・北関東に対応しています。
お電話でも承ります:050-5369-0890(平日9:00〜21:00/土日祝9:00〜17:00)
よくあるご質問
確定申告書の控えは、何年分とっておけばいいですか?
建設業許可を見すえるなら、できれば10年分の保管をおすすめします。経営の経験は5年分ほど、技術者としての実務経験は最大10年分の証明に使われることがあるためです。
税務署に7年で処分してよいと言われましたが、本当に10年も必要ですか?
税務上の保存義務は原則7年ですが、これは税金のためのルールです。建設業許可では実務経験の証明で10年分を求められることがあり、別の話とお考えください。許可を取る可能性が少しでもあるなら、長めに残すのが安心です。
もう古い確定申告書を捨ててしまいました。許可は取れませんか?
あきらめるのは早いです。その期間の工事の契約書・注文書・請求書の控えなどで、実務経験を証明できる場合があります。まずは何が残っているかを確認させてください。一緒に道を探します。
e-Tax(電子申告)をしています。紙の控えがなくても大丈夫ですか?
電子申告の場合は、申告データに加えて、税務署から届く受信通知(メール詳細)の控えもセットで必要になります。どちらも保存しておいてください。
まだ許可を取る予定はありませんが、相談してもいいですか?
もちろんです。むしろ、取る前のいまだからこそ整えられることがたくさんあります。「何を残せばいいか」を知っておくだけでも、将来がぐっと楽になります。
確定申告書は、税金の手続きが終わったら役目が終わり——ではありません。あなたが事業を続けてきた、何よりの証です。
いつか建設業許可を取るその日のために、どうか大切に保管してください。「これで足りるかな」と不安になったら、いつでも行政書士事務所みらいにお声がけください。一緒に確認いたします。

コメント