石川県の個人事業主様から、建設業許可の新規申請についてご相談をいただきました。建設業の個人事業主として5年以上の経営経験があり、1級土木施工管理技士をお持ちの方です。
ご相談の内容
- ご相談者
- 石川県内の個人事業主様
- 経営経験
- 建設業の個人事業主として5年以上
- 保有資格
- 1級土木施工管理技士
- ご相談の内容
- 建設業許可の新規申請
建設業許可の新規申請では、「経営の経験を持つ人がいるか」と「工事の技術者がいるか」の2つが、まず確認される中心の要件です。今回のご相談者様は、この2つをご本人お一人で満たせる見込みがある形です。以下、石川県の「建設業の許可申請のしおり(令和8年4月改訂版)」に沿って整理します。
お一人で2つの要件を満たせる形です
常勤役員等(旧・経営業務の管理責任者)
個人の場合は、本人または支配人が該当します。建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者としての経験があることが要件の一つです(施行規則第7条第1号イ(1))。
石川県のしおりでも、この経験を持つ者として「個人の事業主」が明記されています。
営業所技術者等(旧・専任技術者)
1級土木施工管理技士は、法定の資格による証明(建設業法第7条第2号ハ)に当たります。実務経験の年数を積み上げて証明する必要はありません。
資格の証明書類は写しの提出で足り、原本の提示は不要です(石川県・令和3年4月から)。
同じ方が兼ねることができます。石川県のしおりでは、同一の営業所であれば、常勤役員等と営業所技術者等を兼ねることができるとされています。個人事業主様お一人で、許可の中心となる2つの要件をそろえられる形です。
1級土木施工管理技士で申請できる業種
1級土木施工管理技士で営業所技術者となれる主な業種は、次のとおりです(一般建設業)。
| 業種 | 補足 |
|---|---|
| 土木一式工事 | 道路・河川・造成などを総合的にまとめて請け負う工事 |
| とび・土工・コンクリート工事 | 掘削、盛土、コンクリート打設、法面保護、外構など |
| 石工事/鋼構造物工事/舗装工事/しゅんせつ工事 | それぞれ資格による証明で申請できます |
| 塗装工事/水道施設工事 | それぞれ資格による証明で申請できます |
| 解体工事 | 平成27年度までに合格した方は、合格後の解体工事の実務経験1年以上、または登録解体工事講習の修了が別に必要です |
出典:石川県土木部監理課「建設業の許可申請のしおり(令和8年4月改訂版)」別表3 有資格コード一覧
どの業種で申請するかは、資格で取れる業種の多さではなく、実際に請け負っている工事と、これから受けたい工事で決めます。
石川県で確認される書類のポイント
石川県のしおりに示されている取扱いのうち、個人事業主様の新規申請で押さえておきたい点です。
- 経営経験は「業態(営業)証明書」で確認します許可を受けていなかった期間の個人事業主としての経験は、業態(営業)証明書で確認する取扱いです。証明者は原則として市町長です。金沢市の場合は、その期間に許可(登録)の営業実績がある他の建設業者、または町会長の証明となります。
- 常勤性は、直近決算の確定申告書の写しで確認できます個人事業主の場合は、直近決算の確定申告書の写しが確認資料として示されています。健康保険被保険者証は、常勤性の確認資料としては使えなくなっています。
- 資金の確認は、青色申告かどうかで変わります個人が新規申請を行う場合は、原則として預金残高証明書等(申請日前1か月以内のもの)を添付します。ただし、青色申告で貸借対照表を作成していることが確認できる場合は、省略できるとされています。
- 納税証明書は「県の事業税」です直前1年の石川県の事業税の納税証明書を添付します。新たに事業を始める方は、個人事業の開廃業届出書の写し(受付印のあるもの)で代えます。
- 社会保険の加入状況も要件です健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入状況を確認資料で示します。建設国保など建設関係の国民健康保険に加入している場合は、「適用除外」として記載します。
出典:石川県土木部監理課「建設業の許可申請のしおり(令和8年4月改訂版)」別表4-2・4-3、第4の4
行政書士が最初に確認すること
① 業態証明書を、どなたにお願いするか
石川県では、許可のない期間の経営経験を業態(営業)証明書で確認します。金沢市では市長ではなく、他の許可業者または町会長の証明になるため、お願いする相手を最初に決めておくことが、準備期間を左右します。
② 業種は、最初の申請でまとめて決める
新規申請の手数料は、一般建設業のみで申請する場合、同時に申請する業種の数にかかわらず9万円です。あとから業種を足すと、業種追加として別に5万円がかかります。1級土木施工管理技士で申請できる業種のうち、今後受ける可能性のある工事まで見て、最初の申請で決めておくのが費用の面でも合理的です。
③ 近いうちに法人にする予定があるか
個人で受けた許可は、法人を設立しただけでは法人に引き継がれません。石川県では、事業譲渡(いわゆる法人成りを含む)の認可を受けて許可を承継する手続きが案内されていますが、事業譲渡の日の3か月前から30日前までに申請する必要があります。法人化の予定があれば、個人で取るか、法人を設立してから取るかを先に決めます。
費用の目安
| 項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 当事務所の報酬 建設業許可 新規申請(個人) | 121,000円~ |
| 石川県の申請手数料 新規(一般又は特定の一方のみ) | 90,000円 |
| 実費 | 身分証明書・登記されていないことの証明書・納税証明書などの取得費用 |
申請手数料は石川県証紙で納付し、納入した手数料は還付されません(石川県「建設業の許可申請のしおり(令和8年4月改訂版)」)。
国家資格で営業所技術者等を証明できる場合、実務経験の加算はありません。今回のように1級土木施工管理技士をお持ちの方は、新規(個人)の基本報酬でお見積りします。正式な金額は、資料を確認したうえで、行政書士報酬・申請手数料・実費を分けたお見積書でお示しします。
許可を取得したあとは、毎事業年度終了後4か月以内の決算変更届(当事務所の報酬33,000円)と、5年ごとの更新申請(同66,000円)が続きます。料金の全体は料金のご案内をご覧ください。
石川県からのご依頼の進め方
石川県知事許可の申請先は、主たる営業所の所在地を所管する土木総合事務所です(南加賀・石川・県央・中能登・奥能登の5か所)。当事務所は山形市にありますが、電子申請で進めますので、土木総合事務所へ出向いていただく必要はありません。打合せは電話・メール・LINEで進められます。
お手元の書類は、スマホで撮った写真を送っていただく形で構いません。
石川県の窓口一覧や手数料、要件の詳細は石川県の建設業許可のページにまとめています。
よくあるご質問
Q. 個人事業主でも建設業許可は取れますか?
取れます。個人の場合は、本人または支配人が常勤役員等の要件を満たすことが必要です。建設業の個人事業主として5年以上の経営経験があることが、その要件の一つです。
Q. 経営経験のある人と技術者は、同じ人でもよいですか?
同一の営業所であれば兼ねることができます。個人事業主様ご本人が、経営経験と国家資格の両方をお持ちであれば、お一人で2つの要件をそろえられる形です。
Q. 1級土木施工管理技士では、どの業種の許可が取れますか?
一般建設業では、土木一式、とび・土工・コンクリート、石、鋼構造物、舗装、しゅんせつ、塗装、水道施設、解体の各工事が主な対象です。解体工事は、平成27年度までに合格した方は実務経験1年以上または登録解体工事講習の修了が別に必要です。
Q. 石川県では、個人事業主の経営経験をどう確認しますか?
許可を受けていなかった期間は、業態(営業)証明書で確認する取扱いです。証明者は原則として市町長ですが、金沢市の場合は、その期間に許可(登録)の営業実績がある他の建設業者または町会長の証明となります。
Q. 預金残高証明書は必ず必要ですか?
個人の新規申請では原則として必要ですが、所得税の青色申告で貸借対照表を作成していることが確認できる場合は、省略できるとされています。
Q. 山形県の事務所に、石川県の申請を依頼できますか?
できます。行政書士の業務に地域の制限はありません。当事務所は電子申請で進めますので、石川県内の土木総合事務所へ出向いていただく必要はありません。
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経営経験5年以上・施工管理技士をお持ちの方へ
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